ハルとサキのお散歩日記

黒柴そだてのブログ

胆泥症覚え書き

愛犬が胆泥症と言われましたの体験から

2012年、葉瑠が胆泥症から復活?したときの日記をここに載せます。

当時の私の知識は、勘違いも多く、今ではリンクも切れているのですが、突然『胆泥症』と診断されたときの気持ちが表れていると思うので、当時のままに掲載します。

胆泥症一本勝負! 2012年02月19日06:37

胆泥

胆のうに、胆汁が溜まる症状

昨年から、何度検索しただろう

Chromeを使用しているから、Googleの検索結果には、『このページに×回アクセスしています 前回のアクセス…』と表示が出る。

多いので5回、少なくても2回以上アクセスしているページばかりだ。

PDF

胆泥症について

胆石症: 胆嚢および胆管疾患: メルクマニュアル18版 日本語版

犬-元気や食欲がなく、吐き気が起こる


ふぅ、まったく。なぜ、こんな大事なことを早くしてやれなかったのか。

愛しの葉瑠嬢である。
昨年11月、行きつけの動物病院が、健康診断月間であるというので、既に7歳、シニア入りの紗良と、ついでに(^^;)葉瑠を犬ドック。検便、検尿、血液検査、X線、エコー。フルコース。

その結果、紗良はどこもなんともないが、葉瑠は『胆泥』であると診断された。

漢方薬のようなもので、胆のうの流れを良くする作用がありますから」
ウルソデオキシコール酸。副作用の心配はほとんどないので、長期服用を-という流れで、11月10日から、ハルの胆泥症との闘いの幕が切って落とされたわけである。
もちろん、「ハルの」の冠は外れ、

飼い主 vs 胆泥症

の一騎打ち。さらに、ワタクシの後ろにはインターネットという強いミカタがいるのだから、

内藤大助vs亀田大毅の試合より、ずっとずっと大差で飼い主の私が勝つのは目に見えている、と思ってた。

つまり、
飼い主 (インターネット所属) vs 胆泥症(消化器官所属)
である。

2011年11月10日、健康診断にて胆泥判明
(血液検査の結果は正常範囲内)
ウルソデオキシコール酸(ウルソ)50mg錠 一日一錠投与開始

・検査結果に添付された文書には、このように記されている

『…(略)…胆泥とは、胆汁が濃くなって粘度があがってしまったものです。
なぜ胆汁が濃くなってしまうのかは、はっきりとわかっていませんが、生まれもっての体質であることが多いようです。

胆泥が少ないときはほとんど症状はありませんが…(略)…適切な治療を怠ると、最終的には胆のうが破裂してしまい、命を落としてしまうこともあります。
治療は、胆汁の流れをスムーズにして胆泥をなるべくためないように…
あまり脂肪分の多いものを与えないようにすることと、胆汁の流れを良くする薬を…

今回は非常に初期の段階で発見したので、薬でしばらく様子を…』

飼い主というカシコい生き物は、既に後半部分は読まない。
破裂衝撃 げっそり
↑これが大文字で不安(涙目)。

気分は金網デスマッチ(泣)

亀田興毅から「いじめられっ子」と言われても、亀田大毅から投げ飛ばされても、スポーツマンシップにのっとって勝利を手にした内藤大助のように、正々堂々と…かどうかは知らんが、とにかくGoogleで検索、Wikipediaで検索、である。

そこで見えてきたのは、『犬の胆泥症』が、流行してるらしいということ。
たぶん、飼い犬の健康診断技術の進歩と、「なんともないけど健康診断してみる」犬、が増えたのだろう。
だから、Googleで「胆泥」を検索すると、他のキーワードの中に「胆泥 犬」が紛れ込んでいるのに違いない。

昨年の秋は、私自身、小さなチャレンジを繰り返していた時期で、なんだかよくわからないなりに、おしなべて「いいふう」に変化してた気がする。
通販でフジッコ黒酢黒豆『クロクロ』を定期購入して、食べ始めたのが9月。
『クロクロ』を毎朝食べるようになって少しすると、犬'sが寄ってくるようになった。
そーか、こいつら日本犬だし。大豆たんぱく消化できるよね。と、毎朝二粒ずつ、サラハルに分け与えることにした。

2011年12月02日 再診 → 腹部エコー変化なし

日本犬、特に柴犬で起きる犬種特有の病気は、認知症だ。その予防にはEPAおよびDHA。魚の油を足すか、フィッシュベースのフードを与える必要がある。
ってんで、ワイルドアラスカサーモンオイルをお取り寄せ。
台所の隅から「黒千石」が、発掘され、そーか、酢黒豆自分で作ってみりゃーいいんじゃね?と思いついたのはこのころだ。

材料。黒千石豆(250g入り600円くらいかな)
黒酢。なんかちょっと開けてずっとほったらかしにされてた「飲むための黒酢」と、「バルサミコ酢」。ブレンドしてみた。

意外においしく出来たので、半分は私が食う。ダノンビオ(砂糖不使用)かけて食うと、とんでもなく健康になった気がするのでオススメ。
また、黒大豆をゆでると、ポリフェノールたっぷりの黒豆茶ができるので、こっちには調整豆乳をまぜて栄養ドリンク!まじうめぇ。

などと、健康になったつもりの飼い主と、犬体実験されてる飼い犬。気が付けば今年はやたら艶々してる黒い犬。

年が明けて、1月10日、再診の結果はやはり変化なし。
だが、この日、私にはとんでもない変化が訪れた。

ひとつは、『森田誠の愛犬と豊かに暮らすためのしつけ法』。もうひとつは、『鵜川医院のブログ』である。

森田誠さんに関して言うと、私の目には100枚以上ウロコが入っていたことがわかった。
オヤツ不要、叱り不要のしつけ法は、ウツギ博士のポケモン進化論『ピカチュウは すでに しんかした ポケモンで ある!』以来の衝撃的な体験であった。

鵜川医院の邦夫先生は、写真を見る限りでは、ちょっとアレだが、このブログエントリが、なぜこの時期に上がってきたのかは不明だ。(2009年2月6日の記事なのと、前の月に検索したときは見つけられなかったので)
胆石や胆のう、胆汁ではなく、『胆泥』をキーワードに閲覧した人が多かったということか。

↓↓ここの「ランセット」! そうそう、そういう情報が欲しかったのよん!
胆泥はうまく胆嚢が収縮すれば自然に消える場合もあるけれど、そのまま結晶が成長して胆石になってしまうこともある。こうした細かい胆石がある時に、リンゴを毎日一個食べて2週間ぐらいしたらオリーブオイルを250ccほど飲めば全部消えてしまうと、昔ランセットで読んだことがある。リンゴに入っているリンゴ酸はウルソデオキシコール酸(UDCA)の様にふるまい、コレステロールの結晶を溶かしてくれるのだろう。素人が浅はかな知識で考案したダイエットは嫌いだけれど、リンゴダイエットが流行したときには、少なくとも胆石が出来ないダイエットだから、だまっていた。他のダイエットは胆泥やら胆石が出来る可能性がゼロではないので、…略… 

そういえば某高齢医師は粗食を勧めているが、なぜオリーブオイル30ccを毎朝飲むのかの説明をしていなかったはずである。ご本人は気づいていないのかも知れないが、これは胆嚢を収縮させるためでもある。粗食には胆石が合併症としてつきものだけれど、それを予防するのである。30ccはなんとなく飲むのがはばかられると、それを嫌がってオリーブオイル以外を真似する素人がいるが、それは問題だと思う。

犬にオリーブオイルというのは多少抵抗があったので、ω‐3脂肪酸を多く含むアマニ油を摂取していただき、黒酢黒豆をリンゴ酢黒豆にし、リンゴ酢自体も飲んでいただこうと考えた。

2012年01月13日 リンゴ酢10cc 黒豆8粒 アマニ油1cc (一日量)投与開始

そして月日は流れ…

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2012年02月09日 再診 → 腹部エコーにて胆泥消失を確認
目下、UDCAを毎日投与、次の検診で胆泥症の進行が見られなければ、晴れて健康体である。

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勘違い点その1

重大な病だと思い込んでいました。

上記にもある通り、健康診断を受けた結果、エコー検査で「胆のうに砂のような泡のような何かが見える」と言われたに過ぎず、特に深刻な症状もありませんでした。

当時は、フードにトッピングごはんを与えていて、葉瑠は太り気味であったため、ダイエットフード(高繊維食)とプール運動という無理なダイエットを行って、少し体重を落としたところでした。

お医者さんのブログに、とても示唆に富んだ内容が記されているにもかかわらず、ダイエットと胆泥の関係に思い至りませんでした。

勘違い点その2

リンゴ酢にリンゴ酸は含まれていません。

オリーブオイルと書いてあるのに、アマニ油に変えていますし、量もいいかげん。

そもそも、ランセットの論文というものがどういうものかも確認してません。確認したところで、私ごときに医学論文を読み込むことができるはずはないのですが…。

ですから、「ネットで見つけた情報をもとに、自分なりにアレンジして食べ物を変えた結果、胆泥症を克服した!」と思い込んでいるに過ぎず、現実は「エコーで砂っぽいものが映っていたのが、獣医さんの指示通りUDAを飲み続けて、3カ月経って消えた」というだけです。

UDAが効いたのかもしれませんし、他の要因があったのかもしれません。いずれにせよ、食べ物の勝手なアレンジは何の関係もなかったということもあり得ます。知り合いの獣医さんとの雑談で「胆泥?治らないんだよね」と言われたので、不治の病!と思い込んでいましたが、かかりつけの獣医さんは、そんなことは一切おっしゃっていませんでした。

愛犬が胆泥症と言われたかたへ

どんな「病気」でも、「自分で、食べ物で治そう」と思わないでください。信頼のおける獣医さんに指示を仰いでください。「○○を食べると治りますよ!」とか、「××病なのは△△(栄養成分)が足りないせい!」みたいな、何かを売りつけるための情報に惑わされないでください。「これさえ食べていれば大丈夫」な食べ物も、「これを食べると病気になる」食べ物も、おそらくありません。通販で売っていたり、スーパーで手に入るような「食べ物」や「サプリメント」は、薬事法という法律で決められていて流通が制限されている「薬品」よりも効果・効能があるはずはないからです。

さらに「胆泥症」で深刻な状態になることは、あまり多くはないと思います。

人間のお医者さんも、獣医さんも、「最悪の状況」を念頭に置いてお話をされることがあるため、患者・飼い主は「じゃあ、死んでしまうってこと!?」と、短絡的に思い込みがちです。

お医者さん、獣医さんは、科学の人です。科学系の人は、断言することを避けます。鋼の錬金術師にあるセリフ「ありえない、なんてことはありえない」ってやつです。

ですから、「死んじゃう?」って訊かれたら、たぶん「あり得なくはないです」的な返しをされます。というか、生き物は必ず、いつか死ぬので、「死にません」とは言えないのです。

私の勘違い体験をさらしたのは、同じ間違いをしていただきたくないからです。

まったく関係のない「食べ物の工夫」で治せた気持ちになっていましたが、当時の文章を見返してみるときっちり獣医さんにかかり、ちゃんと薬を飲んだ上で治癒に至ったのです。食餌療法だと思っていた方法は、そもそもネットで得た情報とはまったく関係がなかったのですから。

愛犬が胆泥症といわれたかたへ。

決して治らない、ということはないと思います。葉瑠は3カ月かかりましたが、治りましたよ。ですから、悲観しないでくださいね。